単身赴任による二重生活で家計が赤字になり、退職を考えている方もいるでしょう。
二重生活では支出が増加し、家計の赤字リスクが高まります。
手当が支給されても、その増加した支出をすべてカバーすることは難しい場合が多いです。
しかし、退職を決断する前に、家計の見直しや節約、収入の増加に取り組むことも一つの選択肢です。
これらの方法を試すことで、赤字から抜け出せる可能性もあります。
この記事では、単身赴任中に家計が赤字となった場合にやるべきことついて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
退職前に考えよう!単身赴任で家計が赤字の場合にやるべきこと
単身赴任で家計が赤字になった場合、退職を考える前に家計の見直しや節約、収入アップに取り組むことが大切です。
これらの取り組みを通じて、家計が改善され、赤字を解消できる可能性があります。
家計が赤字の場合は、まず以下の①〜⑤を実践し、それでも改善が見込めない場合や現在の会社に不満がある場合には⑥を検討してみましょう。
- ①家計を見直す!無駄な支出がないか生活費をチェック
- ②徹底的に節約!変動費のカットと固定費の見直しで赤字リスクを減らす
- ③専門家に相談!プロのアドバイスで家計の立て直しを図る
- ④収入を増やす!副業やスキルアップで家計を黒字化
- ⑤会社に相談!手当の増額や異動の可能性を探る
- ⑥転職活動を開始!退職前にまずは情報収集からスタート
ここからは、①〜⑥それぞれの詳細について説明します。
①家計を見直す!無駄な支出がないか生活費をチェック
赤字を解消するためには、まず家計を見直すことが大切です。
生活費に無駄がないかチェックしましょう。
その際、一般的な世帯の生活費の平均額を知っておくと、自分たちの生活費が適正かどうか判断しやすくなります。
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2023年」によれば、1人暮らし世帯と4人家族世帯の1ヶ月あたりの生活費の平均額と、主な費用の内訳は以下のとおりです。※勤労者世帯の場合
1人暮らし | 4人家族 | |
1ヶ月の生活費 | 182,114円 | 304,590円 |
(主な内訳) | (主な内訳) | |
食費 | 43,617円 | 86,245円 |
電気代 | 5,946円 | 11,956円 |
ガス代 | 3,127円 | 5,632円 |
水道代 | 2,073円 | 5,525円 |
家具・家事用品代 | 5,163円 | 12,376円 |
洋服・靴代 | 5,173円 | 11,480円 |
交通費 | 6,639円 | 6,123円 |
教養娯楽費 | 21,458円 | 31,594円 |
通信費(携帯・インターネット等) | 7,038円 | 11,240円 |
交際費 | 12,433円 | 9,515円 |
- 単身赴任の家計→「1人暮らし」の平均額と比較
- 単身赴任と自宅の家計→「4人家族」の平均額と比較
これらの費用と比較して家計が高い場合、無駄な支出が含まれている可能性があります。
家族構成やお金の使い方は世帯によって異なりますが、平均額を知ることで、家計に無駄遣いがないかを確認するための参考になります。
早速、単身赴任生活と自宅の家計をチェックし、平均額と比較してみましょう。
②徹底的に節約!変動費のカットと固定費の見直しで赤字リスクを減らす
家計をチェックした後は、特に支出が多い費用の節約に取り組みましょう。
無駄な変動費をカットし、固定費を見直すことで家計をスリムにすることができます。
以下では、食費、電気代、ガス代、水道代、通信費、交際費、保険料の節約のポイントを紹介します。
食費
食費は、自炊や特売日を利用して買い物をすることで節約できます。
■食費の平均額
食費の平均額は、1人暮らし世帯が月43,617円、4人家族世帯が月86,245円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■食費の節約ポイント
- 自炊を習慣に
外食やコンビニ弁当は高くつきがちです。自炊を心がけることで、食費を抑えられます。 - 手軽なレシピで調理を楽に
レシピサイトを利用すれば、手軽で安価に作れるレシピが豊富に見つかります。少ない手間で美味しい料理を楽しめます。 - 作り置きで平日の負担を軽減
週末にまとめて作り置きしておけば、平日に時間をかけずに食事の準備が可能です。忙しい日でも温めるだけで済みます。 - 冷凍保存で食材を無駄なく使う
食材は小分けにして冷凍保存すると、使う分だけ解凍できるので無駄が減ります。特に野菜や肉のまとめ買いをした際に便利です。 - 安い食材や特売を活用
スーパーの特売日に安く食材を調達するのもポイント。計画的に買いだめして、食費を抑えましょう。 - お弁当でランチ代を節約
外でのランチを控え、手作りのお弁当を持参することでランチ代を節約できます。朝の準備に少し時間がかかりますが、外食より健康的で経済的です。
電気代
エアコン、電気カーペット、こたつ、テレビ、パソコン、掃除機などの使い方を工夫することで、電気代を削減できます。
■電気代の平均額
電気代の平均額は、1人暮らし世帯が月5,946円、4人家族世帯が月11,956円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■電気代の節約ポイント
- 冷房の温度を上げる
エアコンの冷房設定温度を27℃から1℃上げるだけで、年間約940円の電気代を節約できる可能性があります。※外気温31℃、2.2kWのエアコンを1日9時間使用した場合 - 暖房の温度を下げる
暖房の設定温度を21℃から20℃に1℃下げることで、年間約1,650円の電気代節約が期待できます。※外気温6℃、2.2kWのエアコンを1日9時間使用した場合 - エアコンのフィルターを掃除する
フィルターを月に1〜2回掃除することで、年間約990円の電気代を節約できる可能性があります。 - テレビを見ないときは消す
テレビの視聴時間を1日1時間減らすだけで、年間で約895円の電気代を節約できる可能性があります。※50V型の場合 - パソコンの使用時間を短くする
パソコンの使用時間を1日1時間短くすることで、年間の電気代を削減できます。デスクトップパソコンの場合は約980円、ノートパソコンの場合は約170円の節約が期待できます。 - 掃除機の時間を短くする
掃除機の使用時間を1日1分減らすことで、年間で約170円の電気代を節約できる可能性があります。 - 電気カーペットの温度を下げる
電気カーペットの温度を強から中に下げることで、年間で約5,770円の電気代を削減できる可能性があります。※3畳用、1日5時間使用した場合 - こたつの温度を下げる
電気こたつの温度を強から中に下げるだけで、年間約1,520円の電気代を節約できる可能性があります。※1日5時間使用した場合
参照:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
ガス代
ガスファンヒーターやガスコンロの使い方を工夫することで、ガス代を節約できます。
■ガス代の平均額
ガス代の平均額は、1人暮らし世帯が月3,127円、4人家族世帯が月5,632円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■ガス代の節約ポイント
- ガスファンヒーターの温度を下げる
ガスファンヒーターの設定温度を21℃から20℃に下げることで、年間約1,320円のガス代を節約できます。※外気温6℃、1日9時間使用した場合 - ガスファンヒーターの使用時間を短くする
ガスファンヒーターの使用時間を1日1時間短縮すると、年間約2,050円のガス代を節約できます。※設定温度20℃の場合 - 強火から中火に切り替える
水1Lを沸かす際に強火から中火に切り替えることで、年間約390円のガス代を節約できる可能性があります。※20℃、1日3回沸騰させた場合
参照:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
水道代
水の使用量を抑えることで、水道代を削減できます。
■水道代の平均額
水道代の平均額は、1人暮らし世帯が月2,073円、4人家族世帯が月5,525円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■水道代の節約ポイント
- シャワーを必要以上に流さない
シャワーの使用時間を1分短縮することで、年間約1,140円の水道代を節約できます。※45℃の場合 - 節水シャワーヘッドを利用する
節水シャワーヘッドに交換することで、水の使用量を減らし、水道代を節約できます。 - 洗濯物はまとめて洗う
洗濯物を定格容量の4割で洗う場合より、8割の容量で洗濯回数を半分に減らすことで、年間約4,360円の水道代を節約できます。※定格容量6kgの場合
参照:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
通信費
スマホやインターネット回線のサービスやプランを見直すことで、通信費を節約できます。
■通信費の平均額
通信費の平均額は、1人暮らし世帯が月7,038円、4人家族世帯が月11,240円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■通信費の節約ポイント
- 格安SIMに乗り換える
月々の通信費を大幅に削減するために、格安SIMに乗り換えることを検討してみましょう。格安SIMに乗り換えることで、通信費を大幅に削減できる可能性があります。 - 料金プランの見直し
契約している料金プランが自分の使用状況に合っているか再度確認し、必要のないオプションや過剰なデータ量をカットすることで、無駄な通信費を削減できます。 - Wi-Fiサービスの見直し
リーズナブルなWi-Fiサービスに変更することで、毎月の支出を削減できる可能性があります。安価で快適に使える選択肢を探して、月々のコストを見直しましょう。
おすすめのWi-Fiルーター▶▶【GMOとくとくBB WiMAX +5G】工事不要の最新Wi-Fiルーターが月額1,375円(税込)〜
交際費
交際費がかさむと、他の節約努力が無駄になってしまうことがあります。
飲み会への参加回数を減らすなどして、交際費を抑える工夫をしましょう。
■交際費の平均額
交際費の平均額は、1人暮らし世帯が月12,433円、4人家族世帯が月9,515円です。
参照:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」
■交際費の節約ポイント
- 飲み会への参加を減らす
飲み会の誘いを受けたとき、無理に参加せず断ることも必要です。自分のペースで過ごすことが、無理のない節約につながります。 - 飲み会の予算を決める
飲み会に使う予算を、事前に決めておくと安心です。予算を守ることで無駄遣いを抑え、計画的に楽しめます。ビール酒造組合の「2024飲用動向調査報告書」によると、外食時のお酒代の平均は月4,418円です。
保険料
自分にとって本当に必要な保険に加入しているか、不要な保険や過剰な保障がないかを確認してみましょう。
■保険料の平均額
生命保険の年間平均払込保険料は37.1万円で、月額に換算すると約3万916円となります。
参照:公益社団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
■保険料の節約ポイント
- 保険の見直し
現在の生活スタイルに合わない保険は、解約を考えてみましょう。特に保障内容が重複している場合、不要なものを解約することで毎月の保険料を大幅に削減できます。 - ネット保険を検討
インターネットで契約できる保険は、対面販売に比べて料金が割安になることが多いため、コストを抑えたい方にとっては非常に有効な選択肢となります。 - ファイナンシャルプランナーに相談
保険の見直しを行う際は、ファイナンシャルプランナー(FP)のアドバイスを受けることをおすすめします。FPは、家族構成やライフステージ、収入状況にもとづいて、最適な保険プランを提案してくれます。
おすすめのFP相談▶▶【何度でも無料】リクルートが運営する保険チャンネル
日常生活のちょっとした工夫で、食費や水道光熱費などの費用を節約することができます。
節約を意識して支出を抑えることで、赤字幅を減らすことができます。
③専門家に相談!プロのアドバイスで家計の立て直しを図る
赤字を脱出するためには、プロの力を借りることが有効です。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談すれば、家計改善に役立つアドバイスをもらうことができ、赤字を解消できる可能性が高まります。
また、今後のライフプランに合わせた必要資金を把握することで、マネーリテラシーの向上が期待できます。
おすすめのFP相談サービスは「FP無料相談の保険チャンネル」です。
■保険チャンネルがおすすめの理由
- 何度でも無料で相談できる
- 家計改善に役立つアドバイスを受けられる
- スマホやパソコンで自宅から相談できる
- 将来必要な資金が明確になる
- 保険、教育費、マイホーム資金などについても相談可能
赤字の解消や将来のために、まずは一度相談してみましょう。
④収入を増やす!副業やスキルアップで家計を黒字化
家計の見直しや節約に加え、収入を増やすことも検討しましょう。
収入が増えて家計の赤字分を補填できれば、黒字化することができます。
■収入を増やす方法
- スキルアップを図り本業での昇給・昇進を目指す
資格取得やスキルアップを通じて、本業での昇給や昇進を目指しましょう。資格を取得すれば、資格手当が支給されることもあります。また、スキルアップによって仕事の幅が広がると、社内での評価が高まり、昇給や昇進のチャンスが近づく可能性があります。 - 副業を始めて収入源を増やす
空き時間や休日を利用して副業に取り組み、収入を増やしましょう。例えば、月に3万円の副収入を得ることで、年間で30万円以上の収入アップが可能です。クラウドソーシングサイトを活用すれば、在宅でできる副業を見つけることができます。
おすすめのクラウドソーシング▶▶仕事の種類は250種類以上。クラウドワークス
⑤会社に相談!手当の増額や異動の可能性を探る
単身赴任による家計の赤字に悩んでいる場合は、会社に相談してみるのも一つの方法です。
近年、転勤による負担の増加やそれに伴う退職者の増加、人材確保の必要性から、単身赴任のサポート体制を強化する企業も増えています。
- 単身赴任手当の増額交渉
会社に相談する際は、具体的な数字を提示することが大事です。家計簿などを活用し、単身赴任によってどの程度の赤字が出ているのかを明確に伝えましょう。参考までに、厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」によると単身赴任手当の平均額は47,600円です。 - 帰省旅費
会社が負担する帰省旅費の増額や回数増加を交渉してみましょう。交通手段や費用を具体的に提示することで、交渉がスムーズに進みます。 - 転勤を伴わない部署への異動
転勤を伴わない部署への異動が可能かどうかを相談してみましょう。自身のスキルや経験を活かせる部署があれば、積極的にアピールしてみましょう。
■交渉のポイント
- 会社の状況を理解する
会社の業績や人事制度などを事前に理解しておくことで、より現実的な交渉ができます。 - 自分の希望を明確に伝える
単身赴任によってどのような問題が生じていて、どんなことを望んでいるのか具体的に伝えることが大切です。 - 代替案を提示する
会社側の負担を軽減できるような代替案を提示することで、交渉がスムーズに進みます。 - 書面でのやり取り
口頭だけでなく、メールなどで記録を残すことで、後々のトラブルを避けることができます。
交渉が必ずしも状況改善につながるとは限りませんが、自分の状況や希望をしっかりと伝えることが大切です。
⑥転職活動を開始!退職前にまずは情報収集からスタート
赤字の解消が難しい場合や将来転職を考えているなら、今から転職活動を始めましょう。
転職活動は時間がかかるため、早めに情報収集を行うことが大切です。
たとえ転職しないとしても、自分の市場価値や他社の状況を知ることは非常に有益です。
転職エージェントを利用すれば、自分の条件に合った求人を効率よく紹介してもらえます。
おすすめの転職エージェントは、大手人気企業の非公開求人多数あり【シンシアード】です。
■シンシアードがおすすめの理由
- 無料で利用できる
- 大手企業の人気求人を取り扱う
- 各分野に精通したコンサルタントがサポート
- 非公開求人も多数取り扱う
将来に備えて、早めに会員登録をして情報収集を始めましょう。
2023年の年齢別転職者数は、25〜34歳が82万人、35〜44歳が59万人、45〜54歳が57万人、55〜64歳が50万人となっています。
参照:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
単身赴任で赤字だからといって、焦って退職するのは避けるべき
単身赴任で赤字が続いたからといって、すぐに退職を決断するのではなく、節約や収入アップに全力で取り組むことをおすすめします。
これらの取り組みで家計の赤字を解消できれば、現在の会社で引き続き頑張ることが可能です。
早速、ファイナンシャルプランナーに相談し、家計を見直した上で、節約や副業にも取り組みましょう。
コメント