「夫が単身赴任で二重生活。家計が苦しい…。」
単身赴任は、家族にとって大きな転換期であり、喜びと同時に不安も伴うものです。
特に、家計への影響は大きく、今まで通りの生活では苦しくなってしまうことも少なくありません。
単身赴任手当や家賃補助などの制度はあるものの、生活費や税金、社会保険料の増加分をカバーするには不十分です。
この記事では、単身赴任で家計が苦しいと感じる方に向けて、赤字脱出のためのポイントや家計改善策を紹介します。
夫婦で協力し、賢くやりくりして、赤字脱出を目指しましょう!
単身赴任で家計が苦しくなる理由
多くの場合、単身赴任で経済的な負担が大きくなることは避けられません。
具体的にどのような費用がかかり、家計が苦しくなるのかを見ていきます。
二重にかかる生活費
単身赴任の最大の悩みは、生活費が二重にかかることです。
今まで1つだった家賃や光熱費が2倍になるだけでなく、食費や日用品などの生活費も赴任先で別途必要になります。
以下は、二重生活費用の一例です。
例 | 単身赴任先 | 自宅 | 二重生活合計 |
---|---|---|---|
家賃 | 60,000円 | 80,000円 | 140,000円 |
食費 | 40,000円 | 60,000円 | 100,000円 |
水道光熱費 | 10,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
合計 | 100,000円 | 160,000円 | 260,000円 |
実際には、単身赴任手当などで一定の支出はカバーでき、社宅を利用すれば家賃を削減できますが、二重生活による負担がかなり大きくなるのは確かです。
■生活費の平均額
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2023年」によると、生活費の平均額は、二人以上世帯は318,755円、単身世帯は182,114円です。※勤労者世帯
主な費用の内訳は次のとおりです。
生活費の主な内訳 | 二人以上世帯 | 単身世帯 |
---|---|---|
食費 | 84,552円 | 43,617円 |
水道光熱費 | 23,566円 | 11,489円 |
通信費 | 13,746円 | 7,038円 |
交際費 | 14,675円 | 12,433円 |
手当だけでは生活費を賄えない
企業によっては、単身赴任手当や住宅手当、帰省手当などが支給されますが、これだけで生活費を全額賄えるケースは少ないです。
一部の大企業では手当が充実しており、支出を十分にカバーできることもありますが、一般的には手当による収入増加よりも支出が増えるため、家計は厳しくなります。
■単身赴任手当の平均額
▼厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」による、主な手当の平均額。
・単身赴任・別居手当:47,600円
・家族手当・扶養手当:17,600円
・住宅手当:17,800円
▼0123引越文化研究所の「転勤実態アンケート2023」による、主な手当の平均額。
・赴任手当:単身世帯93,000円、家族世帯131,000円
・引越し費用支給:単身世帯114,000円、家族世帯173,000円
ストレスから浪費しがち
単身赴任は、慣れない環境での生活や家族と離れることからくるストレスが大きいため、そのストレスを解消するために外食や飲酒、趣味にお金を使ってしまうケースも少なくありません。
■ストレス解消のための浪費例
- 外食やコンビニ弁当の増加
コンビニ弁当や外食に頼ることが多くなり、食費が膨らむ。 - 飲酒量の増加
ストレスからお酒の量が増え、酒代がかさむ。 - ストレス発散のための買い物
ネットショッピングやゲーム、ギャンブルなどで浪費してしまう。
また、ストレスによって支出が増えるのは、単身赴任の夫だけでなく、家事や育児に奮闘する妻にも見られることがあります。
外食や交際が増える
単身赴任先では、新しい職場環境に慣れるために同僚との付き合いが増えることがあります。
歓迎会や飲み会、仕事後の付き合いなどで外食費や交際費がかさみ、家計を圧迫する一因となります。
■外食や交際費の増加例
- 歓迎会や送別会
新しい職場では歓迎会や送別会が開かれることが多く、参加費用がかかる。 - 職場での飲み会
同僚との親睦を深めるために、飲み会に誘われることが増える。 - 休日の同僚との食事やレジャー
休日にも同僚と食事やレジャーを楽しむ機会が増え、交際費がかさむ。
税金や保育料が上がる
会社から支給される単身赴任手当や帰省旅費手当は、給与所得とみなされるため、課税対象となります。※一部例外あり
そのため、手当が支給されることで年収が増え、所得税や住民税、社会保険料、保育料などが上がり、家計が苦しくなることがあります。
参照:
国税庁「単身赴任手当等」
国税庁「単身赴任者が会議等に併せて帰宅する場合に支給される旅費」
二重生活でも大丈夫!生活費を賢く節約するコツ
単身赴任中は生活費が二重になり、家計への負担が大きくなります。
しかし、賢く生活費を節約するコツを知っていれば、二重生活でも家計を安定させることは十分可能です。
ここでは、固定費・変動費・無駄な支出の3つの観点から、生活費を賢く節約する方法を紹介します。
おすすめのサービスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
固定費を減らす
固定費は毎月必ずかかる費用のことです。
一度見直すだけで、その後も継続して節約効果が期待できるため、まず最初に取り組むべきポイントです。
固定費の見直しポイントは、以下を参考にしてください。
■住居費を見直す
単身赴任で最も大きな負担となるのが住居費です。会社からの住宅手当の有無や金額を確認し、無理のない範囲で家賃を抑えるようにしましょう。
- 社宅や社員寮の利用
会社が提供する社宅や社員寮を積極的に利用しましょう。家賃が抑えられるだけでなく、家具や家電が揃っている場合もあり、初期費用の節約につながります。 - 家賃の安いエリアを選ぶ
勤務地から少し離れても、家賃の安い地域に住むことを検討してみてください。通勤時間は延びますが、家賃を大幅に節約できる可能性があります。 - 敷金・礼金ゼロ物件を探す
初期費用を抑えたい場合は、敷金・礼金なしの物件を選びましょう。ただし、退去時のクリーニング費用などが別途発生することがあるため、事前に契約内容をよく確認してください。
■通信費を見直す
スマホやインターネット回線も見直し次第で節約できます。
- 格安SIMへの変更
格安SIMは、大手キャリアと比べて月額料金が安く、データ通信量や通話プランも自分に合ったものを選ぶことができます。 - 家族割の活用
家族全員が同じ携帯キャリアを利用すると、割引が適用される場合があります。家族割引を積極的に活用しましょう。 - インターネット回線の見直し
料金の安いモバイルWiFiルーターを利用すれば、通信費を削減でき、外出先でも使えるので便利です。工事不要で手軽に導入でき、キャッシュバックキャンペーンを実施している場合もあります。
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■保険を見直す
生命保険や医療保険など加入している保険を見直し、本当に必要な保障内容かどうかを確認しましょう。
- 保障内容の再検討
家族構成やライフステージの変化に合わせて、保障内容を見直すことが大切です。例えば、子どもの誕生や独立、住宅ローンの完済などにより、必要な保障も変わってきます。 - 不要な特約の解約
保険にはさまざまな特約がついていますが、不要なものは解約しましょう。特約の内容をよく理解し、本当に必要なものだけを残すことが大切です。 - 保険会社の見直し
複数の保険会社を比較し、保険料や保障内容が自分に合う保険に乗り換えることで、保険料を削減できることがあります。
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変動費を見直す
変動費は、毎月変動する費用のことです。
意識的に節約することで、支出を抑えることができます。
変動費の見直しポイントは、以下を参考にしてください。
■食費を見直す
外食やコンビニ弁当は高くつくことが多いので、自炊を心がけて節約しましょう。
- 自炊を習慣に
仕事で疲れていると、つい外食やコンビニ弁当に頼ってしまいがちですが、自炊をすることで食費を大幅に節約できます。 - 食材のまとめ買い
食材は、まとめ買いをすることで割引価格で購入できる場合があります。 - 特売日を狙う
スーパーの特売日を狙って買い物をすることで、食費を抑えることができます。 - アプリやポイントカードを活用する
一部のスーパーでは、アプリで割引クーポンが配布されたり、ポイントを貯めて割引が受けられることがあります。
■光熱費を見直す
電気・ガス・水道などの光熱費も、工夫次第で節約が可能です。
- 冷暖房の設定温度を調整
夏は冷房を少し控えめに、冬は暖房を少し低めに設定するだけで、電気代の節約につながります。例えば、冷房の設定温度を1℃上げると約940円、暖房を1℃下げると約1,650円(※)の節約が期待できます。
※経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約|エアコン」 - 節水を意識
節水を意識しましょう。例えば、シャワーの時間を1分短縮するだけで、ガス代が約2,070円、水道代が約1,140円(※)も節約できるとされています。
※経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約|風呂給湯器」 - 冷蔵庫を開けている時間を短くする
冷蔵庫を開ける時間を20秒と10秒で比較すると、年間で約190円の電気代に差が出ます。また、冷蔵庫にものを詰め込みすぎず、半分の量にすると、約1,360円の電気代を節約できる可能性があります(※)。
※経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約|冷蔵庫」
■帰省費用を見直す
家族が待つ家に帰るための帰省費用も、馬鹿になりません。手当が出ない場合は、回数や交通手段を見直して、できるだけコストを抑えましょう。
- 帰省頻度の見直し
毎週末の帰省を隔週にするなど、帰省の頻度を見直すことで交通費を抑えることができます。 - 早期予約割引の活用
飛行機や新幹線は、早めに予約することで割引が適用されることがあります。 - LCCや高速バスの利用
LCCや高速バスは、新幹線や飛行機よりもリーズナブルな料金で利用できます。 - 回数券の利用
頻繁に帰省する場合は、回数券を購入することで交通費を節約できます。 - 金券ショップの利用
金券ショップでは、新幹線や飛行機のチケットが割引価格で購入できる場合があります。
無駄な支出をチェック
家計簿をつけるなどして支出の内容を把握し、無駄な支出がないかチェックしましょう。
■趣味や娯楽費を見直す
単身赴任中は、寂しさから趣味や娯楽にお金を使いがちです。自分にとって本当に必要なものかどうかを見極め、無駄な支出を減らすことが大切です。
- アプリやゲームの課金を見直す
ストレスからアプリやゲームに課金しすぎていることもあります。課金を控えることで、節約が実現できます。 - 無料の娯楽を活用
図書館や公園などの無料施設を利用しましょう。また、雑誌読み放題や動画配信サービスの無料お試し期間を活用すれば、その分お得です。
■交際費を見直す
新しい職場では付き合いが増えがちですが、無理のない範囲で参加することを心がけましょう。
- 飲み会の頻度を調整
毎回の飲み会に参加するのではなく、参加頻度を調整しましょう。ビール酒造組合の「2024飲用動向調査報告書」によれば、外食でお酒にかける1ヶ月の平均額は4,418円です。 - 割り勘にする
飲み会の費用は、できるだけ割り勘にするようにしましょう。 - 二次会は控えめに
二次会は参加費が高くなることが多いので、控えめに参加しましょう。
単身赴任は家計に大きな負担をかけますが、節約を意識することで支出を抑えることができます。
赤字からの脱出!家計を立て直す具体的な方法
単身赴任による家計の赤字は、多くの家庭が直面する深刻な問題です。
夫婦で協力し、以下の方法を試すことで、赤字から脱出し、安定した家計を取り戻せる可能性があります。
おすすめのサービスも紹介していますので、興味があるものがあれば、ぜひ試してみてください。
夫が副業を始めて収入を増やす
夫が休日などを利用して副業を始めることで、収入が増え、赤字脱出の可能性が高まります。
クラウドソーシングやスキマ時間バイト、ポイ活などであれば、空き時間を有効活用できます。
- スキルや経験を活かせる副業
これまでの仕事で培ったスキルや経験を活かす副業を選ぶことで、効率的に収入を得ることが可能です。例えば、プログラミングスキルを活かしてウェブサイト制作を行ったり、語学力を利用して翻訳の仕事をすることができます。 - 在宅でできる副業
Webライターやデータ入力などの在宅でできる副業は、空き時間を有効活用でき、単身赴任先でも取り組みやすいです。
副業を始める際は、本業に支障が出ないように時間管理を徹底することが大切です。
また、副業の収入が年間で20万円を超える場合には確定申告が必要になります。
参照:国税庁「確定申告が必要な方」
妻が在宅ワークやポイ活で新たな収入を得る
妻もまた、在宅ワークやポイ活を始めることで、家計に貢献することができます。
家事や育児の合間にできる仕事も多いので、自分のペースで働くことができます。
- Webライター
Webサイトのコンテンツを執筆する仕事で、文章を書くのが得意な方におすすめです。 - データ入力
アンケートデータや顧客情報などを入力する仕事で、タイピングが得意な方に向いています。 - ポイ活
スマホで取り組めて、アンケートやゲーム、モニターなどを通じてポイントが貯まります。貯まったポイントは電子マネーや現金、商品などに交換できます。
より良い条件の会社に転職する
現在の仕事に不満がある場合や、より高い収入の仕事に就きたい場合は、転職を検討するのも一つの方法です。
単身赴任を機に、キャリアアップを目指してみるのもよいでしょう。
転職することで、赤字から脱出できる可能性もあります。
- 転職サイトの利用
転職サイトを活用して、希望の条件に合った求人を探すことができます。転勤なしの求人も多数あります。 - 転職エージェントの活用
転職エージェントに登録することで、自分に合った求人を紹介してもらい、転職活動のサポートを受けることができます。無料で利用できるケースがほとんどです。
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転職活動は時間と労力を要するプロセスであり、すぐに決まることは少ないため、早めに動き出すことが大切です。
専門家(FP)に相談してアドバイスを受ける
家計管理や赤字脱出のための家計改善策、将来の資金計画、保険の見直し、住宅ローンの見直し、子どもの教育資金、老後資金などについては、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをおすすめします。
専門的な知識を持つFPから具体的なアドバイスを受けることができます。
- 家計診断
収入、支出、資産状況などを分析し、家計の問題点や改善策についてアドバイスを受けることができます。 - 保険や住宅ローンの見直し
無駄がないか確認し、適切なプランを提案してもらえます。 - ライフプランに応じた必要資金
将来必要な資金をプランに応じて詳しく説明してもらえます。 - 赤字脱出のための節約プラン
赤字を脱出するための具体的な節約プランや見直しポイントを提案してもらえます。
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夫婦で協力!家計が苦しい時期を乗り越えるためのポイント
単身赴任は、家族にとって経済的にも精神的にも大きな負担となります。
しかし、夫婦で協力し、前向きに取り組むことで、苦しい時期を絆を深めるチャンスに変えることができます。
ここでは、家計が苦しい時期を乗り越えるためのポイントを見ていきましょう。
家計情報を共有する
家計が苦しいときこそ、夫婦で家計状況を共有することが大切です。
収入や支出、貯蓄額をオープンにすることで、お互いの現状を理解し、協力して改善に取り組めます。
- 具体的な支出を把握
食費や光熱費、通信費など、各項目の支出額を把握することで、無駄な支出を見つけやすくなります。 - 家計簿アプリの利用
家計簿アプリを利用すれば、簡単に家計簿をつけることができ、支出分析もスムーズに行えます。 - 共通の目標を設定
貯蓄や住宅ローンの繰り上げ返済、旅行、マイカー購入といった目標を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。
定期的にコミュニケーションを取る
単身赴任中は距離が離れている分、意識的にコミュニケーションを取ることが大切です。
- ビデオ通話
ZoomやLINEなどのビデオ通話を活用すれば、顔を見ながら話せて、より親密なやり取りができます。 - 電話やメール
忙しい毎日でも、短い電話やメールで連絡を取り合うことで、お互いの状況を共有することができます。 - 感謝の言葉
「いつも頑張ってくれてありがとう」「家族のために働いてくれて感謝している」など、感謝の気持ちを伝えることで、お互いを支え合えます。
前向きな気持ちを持つ
家計が苦しいと、どうしてもネガティブな気持ちになりがちですが、前向きな気持ちを持つ ことが大切です。
- 将来の目標を共有
「子どもが大きくなったら家族旅行に行こう」「マイホームを持ちたい」など、将来の夢を共有することで、希望を持ち続けられます。 - ポジティブな言葉
「大丈夫、乗り越えられる」「一緒に頑張ろう」など、ポジティブな言葉を使うことで、お互いを励まし合い、前向きな気持ちになることができます。
感謝の気持ちをしっかり伝える
単身赴任中は、家族のために一人で頑張っている夫、家事や育児を一人で担っている妻、それぞれに感謝の気持ちを持つことが大切です。
- 言葉で伝える
「いつもありがとう」「本当に助かっているよ」など、直接言葉で伝えることで、感謝の気持ちがより伝わります。 - 手紙やプレゼント
感謝の気持ちを込めた手紙 や、 ちょっとしたプレゼントも喜ばれます。
家族で楽しめるイベントを企画する
単身赴任中で家計が苦しいときこそ、特別なイベントを企画して楽しい思い出を作ることが大切です。
- 帰省時のイベント
夫の帰省に合わせて、家族旅行や外食を計画するのもよいでしょう。低予算でも楽しめる旅行先や外食プランはたくさんあります。 - オンラインイベント
オンラインで一緒にゲームをしたり、映画を楽しむのもおすすめです。 - サプライズ
誕生日や記念日 には、サプライズでプレゼントを贈るのもよいでしょう。
これらのポイントを意識することで、夫婦で協力し、家計の苦しい時期を乗り越えられるでしょう。
単身赴任という試練を、家族の絆をさらに深めるチャンスに変えていきましょう。
まとめ
この記事では、単身赴任で家計が苦しいと感じている方に向けて、赤字脱出のためのポイントや家計改善策を紹介しました。
家計が苦しい時期は辛いですが、前向きな気持ちで対策を講じることが大切です。
また、これは夫婦の絆を深める良い機会でもあります。
夫婦で協力し合って、この困難な時期を乗り越えましょう。
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