夫の単身赴任中のワンオペ育児は、専業主婦の妻にとって、想像以上に過酷な状況です。
家事・育児の負担に加え、孤独感やストレスに押しつぶされそうになることも少なくありません。
「自分一人で抱え込まなければ…」と追い詰められるのではなく、夫婦でコミュニケーションを取り、状況を改善していくことが大切です。
この記事では、夫が単身赴任中のワンオペ育児を、夫婦で協力して乗り越えるための具体的な方法を紹介します。
■子育てやメンタルケアに役立つ情報サイト・相談窓口
・子育て・教育の相談…政府広報オンライン「子育て・教育」
・子ども支援制度…こども家庭庁「よくわかる 子ども・子育て支援新制度」
・子育て・心のケアの相談…Save the Children「おやこのミカタ」
・働く人のメンタルヘルス…厚生労働省「こころの耳」
・職場トラブルの相談…厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
単身赴任中のワンオペ育児、何が辛い?
単身赴任中のワンオペ育児は、孤独と戦いながら、毎日を必死に乗り越えています。
可愛い我が子との時間を大切にしたい一方で、心身ともに疲れ果て、もう限界だと感じているママも少なくありません。
家事、育児、仕事…すべてを一人で抱え込むことの重圧は、夫婦関係にも大きな負担をかけ、離婚の危機に繋がることも。
ここでは、そんなワンオペ育児のリアルな辛さ、大変さを紹介します。
睡眠不足で身体の疲労が限界
「睡眠時間は平均3時間。ゆっくり眠れる日なんて、もう遠い昔のこと。」
赤ちゃんのお世話に追われ、イヤイヤ期の子どもの相手、そして常に目が離せない日々。
そんな毎日を送る中で、心身ともに疲れ果てているママは少なくありません。
睡眠不足は、日中のパフォーマンスや集中力を低下させるだけでなく、生活習慣病やうつ病などの精神疾患のリスクも高めます。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」
ゆっくり食事を取る時間もない
「食事はいつも子どもの残り物。自分のご飯は立ったままかき込むだけ。」
子どもが小さいうちは、自分のことは後回しになりがち。
ゆっくり食事を楽しむなんて、贅沢な時間です。
常に子どもの様子に気を配りながらの食事は、とても落ち着いて味わうなんてできません。
子どもを見ながらの掃除や洗濯
子どもを見ながらの家事は、本当に大変です。
洗濯物を干す間も、目を離せません。
掃除機をかけようものなら、すぐに駆け寄ってきて邪魔をしてしまいます。
そのため、家事はいつも中断を余儀なくされ、なかなか進みません。
子どものお風呂や寝かしつけが大仕事
お風呂に入れるのも一苦労、寝かしつけるのも時間がかかり…毎晩、ぐったりとベッドに倒れ込む日々。
子どもがなかなか寝てくれないときも。
毎晩、子どもとの攻防戦。寝たと思ったらすぐに目が覚めてしまい、自分の時間は皆無です。
「専業主婦なのに甘え」という厳しい声
「専業主婦だからって、甘えじゃない!」 「ワンオペ育児は想像以上に大変」
毎日子どもと向き合い、家事をこなす専業主婦。
「甘えている」という言葉に傷つく人も少なくありません。
周囲の理解が深まらない現状に、多くの専業主婦が悩んでいます。
夫のサポートが不十分でストレスに
「単身赴任のワンオペ育児、もう限界かも…」「言葉が足りない…」
家事や育児の負担、孤独感に悩みながらも、夫にはなかなか本音を言えず、一人で抱え込んでしまうことも。
「ありがとう」の一言や、帰省時のちょっとした手伝い、日々の連絡など、些細なことで気持ちが大きく変わるのです。
孤独感と誰にも相談できない辛さ
「頼れる人が近くにいない」「誰にも言えない悩みや不安…」
育児の悩みを誰にも相談できず、孤独感に押しつぶされそうになる日々。
近くに頼れる人がいない状況でのワンオペ育児は、心身に大きな負担をかけます。
同じような経験をしているママ友とつながったり、地域の支援団体を利用したりすることで、心の支えを見つけられるかもしれません。
夫婦喧嘩が増えて離婚危機
「夫の何気ない一言にイライラする…」「もう限界…!離婚も考えてしまう…」
ワンオペ育児が続くと、夫婦のコミュニケーション不足や、お互いの理解不足から、些細なことで喧嘩が増えてしまうことも。
その結果、離婚の危機や家庭崩壊に発展してしまうケースも少なくありません。
夫婦で協力して乗り越えるには?
夫の単身赴任中のワンオペ育児は、想像以上に妻の負担が大きく、孤独な戦いです。
しかし、夫婦で協力し、状況を改善していくことで、乗り越えられる試練でもあります。
ここでは、具体的な方法を5つ紹介します。
まずはお互いの状況を共有する
「きっと、言わなくてもわかってくれるはず…」
実は、夫は妻の大変さに気づいていないことが多いものです。
まずは、夫婦でゆっくり話し合う時間を作り、お互いの状況を共有してみましょう。
その際、「毎日睡眠時間が3時間しかない」「自分のご飯はいつも立ったまま」といった具体的なエピソードを交え、日々の状況や気持ちをありのままに伝えてみてください。
心の内を正直に話すことで、夫も妻の気持ちをより深く理解し、協力的な姿勢を示してくれるでしょう。
そして、夫に具体的な行動を促す言葉を添えると、より効果的です。例えば、「帰省した際には家事をすべてお願いしたい」「2時間ほど子どもと外で遊んできてほしい」など、具体的なお願いをしてみましょう。
夫はできる限りサポートを
夫のサポートは、妻の心の支えとなり、円満な家庭を築くために不可欠です。
例えば、帰省時には積極的に家事を行い、妻がゆっくりと休める時間を確保しましょう。子どもと一緒に公園に行ったり、遊び相手になってあげるのも喜ばれます。
単身赴任で培った腕で、妻の好きな料理を作ってあげるのも、サプライズになるかもしれません。
また、予算の範囲内で頻繁に帰省し、一緒に過ごす時間を増やすことも大切です。
単身赴任先からでも、こまめな連絡や感謝の言葉は、妻の心を温めます。「今日もお疲れ様」「いつもありがとう」といったシンプルなメッセージでも、妻のやる気やモチベーションにつながります。
夫のサポートの有無は、妻の心身への負担に大きく影響します。できる限りのことをして妻を支え、一緒に子育てを楽しみましょう。
厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得者の割合はわずか30.1%(女性は84.1%)。
「自分だけじゃない」と知る安心感
一人で抱え込まず、同じ境遇のママ友との交流や情報交換を通じて、気持ちを楽にしましょう。
単身赴任中の夫を持つママ友とのつながりは、子育ての悩みを共有し、情報を交換する絶好のチャンスです。
同じような経験を持つ人だからこそ、共感し合い、孤独感を和らげることができます。
地域の支援センターやSNS、オンラインコミュニティを活用するのも良い選択肢です。
ママ友とのつながりは、子育てをサポートするだけでなく、心の支えにもなるでしょう。
完璧を求めず上手に手を抜く
家事育児に完璧を求めるのは、とても大変なこと。
「今日は掃除は後回し」「夕食は宅配サービスにしよう」など、少し手を抜くことで、心にゆとりが生まれます。
料理、育児、掃除、洗濯…と、すべてを完璧にこなそうとすると、必ず無理が生じます。
例えば、疲れている日は、家事代行サービスを利用したり、冷凍食品を上手に活用したりするのもおすすめです。
自分なりに手を抜くポイントを見つけて、負担を軽減しましょう。
頼れるものは頼ってみる
頼れる人がいたら、遠慮なく頼りましょう。祖父母に子どもを預かってもらったり、一時保育やベビーシッターを利用したり、家事代行サービスに頼ったり。
費用がかかる場合もありますが、自分の時間を確保してリフレッシュすることは、子育ての質を高めることにつながります。
家事代行サービスを使えば、掃除や洗濯から解放され、子どもとゆっくり過ごす時間が生まれます。
宅配サービスを使えば、毎日の献立を考える手間が省け、もっと子どもと遊ぶ時間を作れます。
頼ることは、決して悪いことではありません。
ワンオペ育児は自分を責めないことが大事!
夫の単身赴任に伴うワンオペ育児は、専業主婦だからといって決して楽ではありません。
むしろ、社会とのつながりが希薄になりがちな専業主婦にとっては、より一層孤独やストレスを感じやすい状況と言えるでしょう。
「専業主婦なんだから」「甘えているんじゃないの」そんな心無い言葉に傷つき、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
ワンオペ育児は、誰にでも起こりうる大変な状況なのです。
一人で抱え込まず、自分を責めることなく、夫や周囲の人と協力して、前向きに乗り越えていくことが大切です。
ワンオペや単身赴任に限界を感じたら、夫婦で話し合い解決策を見つけよう
夫の単身赴任に伴いワンオペ育児を続ける日々。慣れない土地での仕事。頼れる人の少なさや孤独感…。
ワンオペや単身赴任で「もう限界!」と感じたら、一人で抱え込まず、夫婦でじっくり話し合い、解決策を探してみましょう。
解決策1.上司に単身赴任を見直す相談をする
夫は会社の上司に現在の状況を相談してみましょう。
「妻が一人で子育てをしており、心身ともに疲れ果てています。家族で過ごす時間を増やしたいので単身赴任を見直せませんか。」といった切実な思いを伝えることで、会社側も状況を理解し、単身赴任の見直しに応じてくれるかもしれません。
対応してくれる可能性は高くないかもしれませんが、しっかりと伝えることが大切です。
解決策2.異動願を会社に提出する
異動を希望する場合は、異動願を提出する方法も検討してみましょう。異動願を提出する際のポイントは、以下のとおりです。
- 異動理由を具体的に伝える
- 希望する勤務地や部署を明確にする
- 異動後も会社に貢献する意欲を示す
異動願を作成する際は、単に異動を希望するだけでなく、なぜ異動したいのか、異動によって会社にどのような貢献できるかを具体的に説明することが大事です。
ただし、異動願が必ず承認されるわけではありません。
会社の状況や人員配置によっては、希望通りの異動が実現しない場合もあります。
解決策3.転勤のない会社に転職する
夫が転職を考えるのも一つの選択肢です。
転勤のない会社に転職することで、単身赴任とワンオペの両方から解放されます。
転職活動は大変ですが、転職サイトや転職エージェントなどを活用すれば、希望の条件に合った会社が見つかる可能性があります。
転勤のない会社や在宅勤務が可能な会社、家族の状況に理解がある会社などを検討するのがおすすめです。
まとめ
単身赴任中のワンオペ育児は、孤独感や心身の疲れをもたらすため、夫婦での協力や相談が重要です。専業主婦だからといって楽ではありません。
異動願や転職を考えることで、家族と過ごす時間を増やす方法もあります。
また、頼れる人やサービスを活用し、家事や育児に完璧を求めず手を抜くことも大切です。
支え合いながら、負担を軽減し、前向きに単身赴任中のワンオペ育児を乗り越えましょう。
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